日本の大学進学を考える際に、多くの受験生や保護者が比較対象とするのが「金岡千広」と「MARCH」、「関関同立」などの大学群です。
金岡千広とは、金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学の頭文字を取った地方国立大学群の俗称で、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)や関関同立(関西学院、関西、同志社、立命館)とともに、学生によっては選択肢の一つとされています。
これらの大学群を選ぶ際に重要なのは、各大学群の特色を理解し、自分の学問の進路やキャリアプランにどれが最も適しているかを見極めることです。
この記事では、金岡千広の特徴とそれがMARCHや関関同立とどのように異なるか、また、各群の学部の偏差値や就職率、地域ごとの評価などを詳しく解説していきます。
ポイント
- 金岡千広、MARCH、関関同立の各大学群の偏差値と入試科目の違い
- 各大学群の就職率と地域ごとの評価
- 理系と文系での適切な大学群の選択基準
- 科研費における金岡千広と私立大学群の比較
金岡千広とMARCHや関関同立だったらどちらに行くべきか?
そもそも金岡千広とは?そもそもどう読む?
先述したように金岡千広は、金沢大学(金)、岡山大学(岡)、千葉大学(千)、広島大学(広)の頭文字を取った大学群の俗称です。
「かねおかちひろ」と読みます。
これらの大学は、いずれも地方国立大学であり、高い偏差値と就職率を誇ることで知られています。
近年、大学受験において「MARCH」や「関関同立」と同じくらいの人気を集めており、特に理系学生にとって魅力的な選択肢となっています。
金岡千広とMARCH、関関同立どちらが難易度が高い?
国立大学と私立大学だと入試形態が違うために比較するのは困難です。
国立大学の試験は7科目ですが私大だと3科目です。場合によっては2科目だったりします。
陸上の7種競技の選手と100M走の選手を比較するようなものです。
とはいえ、国立大学は通常の偏差値に+5くらいが妥当だという意見が多いです。
そこで国立大学の偏差値に+5してMARCHや関関同立と比較したいと思います。
補正前
まずは補正せずに比較してみました。スタディサプリの偏差値からの援用です。
金岡千広は医学部を除外しています。
大学名 | 偏差値 |
---|---|
金沢大学 | 50.0~57.5 |
岡山大学 | 50.0~57.5 |
千葉大学 | 50.0~62.5 |
広島大学 | 45.0~62.5 |
明治大学 | 55.0~65.0 |
青山学院大学 | 55.0~65.0 |
立教大学 | 55.0~65.0 |
中央大学 | 52.5~65.0 |
法政大学 | 52.5~65.0 |
同志社大学 | 52.5~62.5 |
関西学院大学 | 50.0~70.0 |
立命館大学 | 50.0~65.0 |
関西大学 | 50.0~60.0 |
単純に比較するとMARCHのほうが金岡千広よりも上ですね。関関同立の各大学も金岡千広よりも大体が高いですね。
補正後
国立大学のほうにプラス5を加えた表は下記になります。
大学名 | 偏差値 |
---|---|
金沢大学 | 55.0~62.5 |
岡山大学 | 55.0~62.5 |
千葉大学 | 55.0~67.5 |
広島大学 | 50.0~67.5 |
明治大学 | 55.0~65.0 |
青山学院大学 | 55.0~65.0 |
立教大学 | 55.0~65.0 |
中央大学 | 52.5~65.0 |
法政大学 | 52.5~65.0 |
同志社大学 | 52.5~62.5 |
関西学院大学 | 50.0~70.0 |
立命館大学 | 50.0~65.0 |
関西大学 | 50.0~60.0 |
補正後だと金岡千広はMARCHとほぼ互角ですね。関関同立ともほぼ互角です。
やや金岡千広が関関同立を上回る感じでしょうか。よく議論されるものの決着しない問題ですがやはりなかなか微妙なところですね。
ただし、受験業界の講師の評判ではMARCHや関関同立よりも金岡千広のほうが難易度が高いという声が圧倒的に多いということは付け加えておきます。
金岡千広より上の私大って早慶上理しかないような。東京就職ならMARCHも良いけど…
— 仏男子でじしん (@deji_shin) March 22, 2023
受験難易度がMARCH≪金岡千広だとしても、就職考えたら絶対MARCH>>金岡千広じゃね。早稲田の人科も同様に。
— ぜ (@Xp65A) August 8, 2023
金岡千広とMARCHや関関同立。どっちに行くべき?(文系編)
文系で就職をする場合を考えてみましょう。
その場合はどこに住んでいるかによって変わってきます。
その地方では金沢大学や広島大学の評価は相当に高いです。ある種の神扱いです。
金岡千広の地元に住んでいる場合はそのまま国立大学に進むのが妥当だと思われます。
先生も親も当然に国立大学に行くものだと思うでしょう。そして地方国立大学の学生は地元の大企業や行政に就職する割合が大きいようです。
ただし、就職先に東京や大阪の大企業を考えている場合はMARCHや関関同立のほうが良いようです。
下記は大学通信の有名企業400社への就職率です。都市部の私大が圧倒的に有利であることがわかるでしょう。
(もちろん国立大学だと地元での公務員就職などが多いので有名企業に就職したいと考えている人は少ないのかもしれませんが)
とはいえ、文系の場合はその地方に住んでいなければわざわざ地方の国立大学に行く必要は低いと言えるでしょう。
順位 | 大学名 | 有名就職率 |
---|---|---|
1位 | 同志社大学 | 29.4% |
2位 | 明治大学 | 26.9% |
3位 | 立教大学 | 24.9% |
4位 | 青山学院大学 | 23.8% |
5位 | 関西学院大学 | 22.4% |
6位 | 中央大学 | 22.1% |
7位 | 立命館大学 | 19.7% |
8位 | 法政大学 | 19.0% |
9位 | 千葉大学 | 18.6% |
10位 | 関西大学 | 16.8% |
11位 | 広島大学 | 15.5% |
12位 | 金沢大学 | 13.1% |
13位 | 岡山大学 | 12.7% |
ほとんど同じ考えから福岡を出なかったのですが、少しでも東京で就職する、もしくは東京に本社を置く上場企業に就職する可能性があるのなら、ニッコマはともかくMARCHには進学する意味があると思います。
金岡千広レベルでも東京就職は結構絶望的ですし。理系は地方でも高給取りなのですが。 https://t.co/JZe2nwsJTk
— 幽玄亭 在家 (@caritasinvera94) June 3, 2023
どっちに行くべき??理系の場合
逆に理系の場合は状況が変わってきます。
まず金岡千広の研究費が私立大学を圧倒しているからです。下記は科研費のトップ30から金岡千広とMARCH,関関同立を抜粋したものです。
なんと、立命館大学以外の私立大学が全然ありません。30位の鹿児島大学が9億円なのでMARCHや関関同立とは3倍以上の差があると言えます。
さらに国立大学と私立大学だと学生数が国立大学の方が圧倒的に少ないわけです。
科研費の配分を受けられるかはこれまでの研究への評価であります。評価された研究をしている方が大学院進学や就職に有利であることは言うまでもありません。
というわけで、理系の場合はMARCHや関関同立ではなく金岡千広に行った方が良いと思います。
大学名 | 科研費 |
---|---|
広島大学 | 28億9120万円 |
岡山大学 | 28億1502万円 |
千葉大学 | 25億757万円 |
金沢大学 | 24億2635万円 |
立命館大学 | 14億9381万円 |
金岡千広5S理系の強さは産業なんですよと https://t.co/XceurbPPcX pic.twitter.com/x22mA5vatL
— 源二浪 (@saemonrou_2) April 5, 2024
大手化学メーカーの理系職の学歴割合はこんな感じ
・旧帝+東工大+神戸
→3〜4割・金岡千広+筑波+名工大等…
→3~4割・東京理科大
→2~3割やっぱり国立が強い
皆んな大好きな早慶・MARCHは本当に少ない— ガンフィ (@ganfi_) October 26, 2023
まとめ:金岡千広とMARCHや関関同立。どちらに行くべき?
さて、以上いろいろなデータを元に比較してきました。ここでやはり白状しざるをえないでしょう。
どちらに行くかはやはりその人によると。どちらも優れた大学であり行った先で努力をすることが大事だと。
これを読んでいただいている方がどういうご状況かはわかりませんが、ご自身の希望を実現できることを祈っております。
- 金岡千広は金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学の頭文字を取った俗称
- 地方国立大学群として知られる
- 高偏差値と高就職率が特徴
- 理系学生に特に人気がある
- MARCHや関関同立と比較されることが多い
- 国立大学は入試で7科目が必要、私立は3科目が主
- 偏差値は国立が私立より高く設定されることが一般的
- 補正を加えると金岡千広はMARCHや関関同立とほぼ互角
- 主観的な意見は金岡千広のほうがMARCHや関関同立よりも難しいという声が多い
- 地方在住者にとっては国立大学は特に推奨される選択肢
- 地元の大企業や行政への就職率が高い
- 理系では科研費が私立大学を大きく上回る
- 研究環境が充実しているため大学院進学や就職に有利
- 都市部の大企業への就職はMARCHや関関同立が有利
- 有名企業への就職率では都会の私立大学が優れていることが示される