ミステリー小説やドラマで描かれる犯罪者の心理。実際の犯罪の裏側には、どんな心理が潜んでいるのでしょうか?
犯罪心理学は、犯罪行為や犯罪者を心理学的に分析し、理解することを目的とした学問です。犯罪の発生メカニズムや犯人の行動パターンを探ることで、犯罪の予防や再犯防止に役立てたり、被害者への支援に繋げたりすることができます。
近年、犯罪心理学への関心が高まっており、犯罪心理学を学べる大学も増えてきました。しかし、どの大学が自分に合っているのか迷う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、犯罪心理学を学べる大学の中から、特におすすめの大学をランキング形式で紹介します。
それぞれの大学の特徴や強みも詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
犯罪心理学に興味がある方、将来犯罪や非行に関わる仕事に就きたい方にとって、必見の内容です!
次の章では、ランキング上位の大学から詳しく紹介していきます。
※ランキングは、様々な指標を総合的に考慮して独自に作成したものです。
※大学選びは、偏差値やランキングだけでなく、興味のある分野やカリキュラム、教員の専門性などを総合的に判断することが大切です。
犯罪心理学を学べる大学:おすすめランキング‼
そもそも犯罪心理学とは?
犯罪心理学会のHPでは犯罪心理学を下記のように定義しています。
犯罪心理学とは,犯罪行為,それをとりまく周辺事象の理解に心理学的方法論を用いて明らかにする学問体系である。
研究の対象は幅広く,犯罪に関連する人間の行動,犯罪の発生機序や意味,捜査手法,
犯罪に至った者(被疑者,非行少年,触法精神障害者を含む)や被害者等の諸特徴や行動予測,法廷での証言や鑑定,
犯罪者や非行少年等に対する治療的・教育的処遇の効果,一般市民の犯罪及び犯罪者(非行少年)に対する態度や感情,
社会における防犯策などである。 犯罪心理学会HPより
なかなか幅が広くやりがいのある学問分野ですね‼
犯罪心理学を学ぶ上でおすすめの大学の基準
大学で犯罪心理学を学ぶ目的はいくつかあると思います。
1つは職業にしたい場合。
この場合は公認心理士になり、警察や刑務所関連の施設で働くことが一番確率が高いでしょう。
公認心理士になるためには大学院に行く必要があります。
公認心理士は学校でのスクールカウンセラーや病院での臨床が多く、公務員や警察関係は少ないのでなかなか狭き門です。
もしくは法学部に行き、犯罪心理学を勉強しながら刑務官になるという道もあります。
法学部でも犯罪心理学を扱っている大学はいくつかあるのです。
また、アメリカの大学院に留学するなどの道もあります。
2つは犯罪心理学に興味があり学びたい場合。
心理学部を卒業した人の多くは心理学関係の職につきません。
法学部や文学部を卒業した人の多くが弁護士になったり作家になったりはしないのと同じです。
実際、大学院に進み心理学の国家資格を取る人は1割にも満たないと言われています。
多くの心理学部生は普通に文系就職をするわけです。
その場合、偏差値が高い大学のほうが就活に有利です。
これは他の文系学部の就活と同じです。
ここから犯罪心理学を学べる大学をおすすめする基準は2つあります。
1つは犯罪心理学界に所属する教員がいること。
可能であれば実務に携わった現場経験豊富な教員がいること。
2つ目は偏差値が高いこと。
大学を卒業して一般企業に就職をする場合が多いでしょうし、
国家資格を取る場合は本格的に心理学を勉強するのは大学院になります。
これは他の学部も同じで、
法学部の場合は法科大学院に行って司法試験を受験しますし、
理系でも大学院で専門家としての訓練を受けます。
学部卒では理系でも文系でもそこまで「専門家」として見られないのです。
なので、どちらにしても偏差値が高いほうが有利でしょう。
興味のある教授に直に教えを請う道も
さて、犯罪心理学をもっと学びたい場合におすすめの方法があります。
それは学会などで知り合い、直接に教えをこう方法です。
心理学は様々な流派があります。
全ての流派の第一人者が1つの大学にいるということはありません。
また、自分の大学の先生よりも他大学の先生のほうが自分と相性が良いということも起こりえます。
良い、悪いではなく単なる相性の話です。
とはいえ、重要なことです。
なので、普通の心理学者は大学の垣根を越えて様々な先生に教わっています。
学会やセミナーなどで知り合い、教えをこえば良いのです。
心理学部卒でなくても普通に教わることが出来るのです。
次からは具体的におすすめの大学をあげていきます。
国公立:東北大学文学部・心理学専修
東北大学の文学部の心理学専修には犯罪心理学を専門にする荒井先生がいらっしゃいます。
そこで犯罪心理学を学ぶことが出来ます。
東北大学の心理学は多くの心理学者を生み出した名門です。
入学して間違いのない大学の1つでしょう。
東北大学は近隣の東北福祉大学や岩手大学などとも交流があり、幅広く教えこうことが可能です。
法政大学文学部・心理学科
あの科捜研に勤務していた越智先生がいらっしゃいます。
そのために講義やゼミなども充実しています。
学部授業の演習などでは、学生たちは「ストーカー」「少年犯罪」「連続犯の特性分析」など興味を抱いた犯罪や事象について事前に調べて発表。
その後、ディベートを行います。
越智先生は犯罪心理学についてこう言っています。
では、犯罪心理学の研究が捜査にどのように活かされているのでしょうか。
一つの例は、プロファイリングでしょう。例えば極めて猟奇的な、一般人の感覚では理解に苦しむ犯罪が起きたとします。
しかし常軌を逸しているように見える事件でも、心理学や精神医学の知識、あるいは過去の事件をもとにすると、意外と思考や行動のパターンが見えてくるものなのです。
こうした情報を伝えることで、捜査のサポートを行うのが科捜研の仕事の一つです。
多くの人が描く「犯罪心理学を学ぶイメージ」にかなり近い状況で学ぶことが出来るようです。
とても楽しそうな大学生活が過ごせそうですね‼
東洋大学社会学部・社会心理学科
科捜研でも活躍しメディアにもたびたび登場する桐生先生がいらっしゃいます。
「科捜研時代にあらゆる種類の犯罪の現場に赴きました。
主な職務は過去のデータベースをもとに犯人の人物像を推定、犯行予測をする犯罪者プロファイリング、そして心電図や呼吸運動、皮膚電気活動などの生理指標を基に犯人しか知り得ない記憶を検出するポリグラフ検査です。
こうした捜査手法には、犯罪心理学や生理心理学の知見が高度に応用されています」
経験豊富な先生の元で実社会で通用する生きた犯罪心理学を学ぶことが出来ます。
立正大学心理学部
関東で一番最初に心理学部を設立したのが立正大学です。
立正大学は多くの心理士を輩出しており心理の世界では名門です。
その中でも西田先生と片受先生のお二人が犯罪心理学が専門です。
研究テーマも面白く興味がそそられますね。
研究テーマはカルト的集団に関する心理過程や、詐欺や悪質商法など、気づかないうちに他者に誘導される心理操作(マインド・コントロール)について研究と啓発を行っています。
関西国際大学人間科学部・犯罪心理学専攻
関西国際大学には犯罪心理学専攻があります。
大学レベルでは非常に珍しいですね。
犯罪心理学専攻では、人はなぜ罪を犯すのか、少年非行の背景には何があるのか、心理学の見地から犯罪を分析・理解し、その防止方法を考えていきます。
最先端の科学捜査方法や、犯罪者を立ち直らせるための矯正教育、犯罪被害者や遺族に対する精神的な支援方法なども学びます。
実際に警察や少年鑑別所などに勤務していた教員が、体験にもとづいてわかりやすく教えるだけでなく、裁判所や少年院などの見学機会も豊富に用意。本専攻だから可能な学びや経験に満ちています。
ここまで充実していると、犯罪心理学について様々な角度から包括的に学べますね。
人間環境大学心理学部・犯罪心理学科
人間環境大学には犯罪心理学科があり、犯罪心理学に関する研究が充実しています。
犯罪心理学科は、「法心理学」、「犯罪科学」、「捜査・防犯」、「犯罪臨床」の4領域から現代社会の犯罪の背景にある問題を心理学的に分析し、犯罪を生み出す人間の諸特徴や社会・文化・経済的諸相を理解するとともに、犯罪抑止の方法を科学的に探究します。
こちらも犯罪心理学科となっていて非常に充実していますね。
興味がある方はより調べてみてください‼オープンキャンパスはお勧めです。
昭和女子大学人間社会学部・心理学科
犯罪心理学を専門にしている田中先生などがいらっしゃいます。
非行少年に長年関わってきた先生のゼミで犯罪心理学に関しての理解を深めることが出来ます。
文教大学人間科学部
教員養成で有名な文教大学にも、
犯罪心理学が専門の須藤先生がいらっしゃいます。
須藤先生は家庭裁判所調査官を26年間勤められ、多くの少年非行や家族問題の支援に携わってこられました。
生々しい現実の事例を元に本物の心理を学ぶことが出来ます。
教師になる人が多い文教大学で犯罪心理学を学ぶことに大きな意味がありそうです。
大阪経済大学人間科学部・人間科学科
家庭調査官を25年勤められた坂野先生がいらっしゃいます。
先生は論文も多数執筆し、学会発表も多くしていらっしゃいます。
日本大学文理学部
シラバスに犯罪心理学の講義があります。
越智先生や渡邊先生から学ぶことが出来ます。
東京未来大学こども心理学部・こども心理学科
学部長の出口先生が犯罪心理学が専門です。
メディアでも多く出演し啓蒙活動につとめていらっしゃいます。
経歴を見ても犯罪心理学者のイメージに最も近い先生かもしれません。
1985年東京学芸大学大学院終了後に、法務省に心理職として入省。
全国の少年鑑別所・刑務所等で犯罪者を心理分析。
その他、法務省矯正局、法務省法務大臣官房秘書課勤務等を経て、法務省法務総合研究所室長研究官を最後に退官し、同時に東京未来大学教授。
2013年からは、こども心理学部長を務める。警視庁有識者委員、足立区防犯アドバイザーも務める。
まとめ:犯罪心理学を学べる大学のおすすめランキング
犯罪心理学は奥が深く本格的な学習・研究は大学院からになることが多いようです。
とはいえ、上記で見たように大学でもかなり学ぶことが出来る大学もありますね。
下記に犯罪心理学を学ぶお勧め大学ランキングをご紹介します。
順位 | 大学名 |
---|---|
1位 | 法政大学 |
2位 | 東北大学 |
3位 | 東洋大学 |
4位 | 関西国際大学 |
5位 | 人間科学大学 |
6位 | 立正大学 |
7位 | 文教大学 |
8位 | 昭和女子大学 |
9位 | 大阪経済大学 |
10位 | 日本大学 |
ご自身で自分に相性が良いか、状況は変化していないかを調べてくださいね。
最後にこれまでの内容をまとめます。
犯罪心理学:15のポイント
1. 犯罪心理学とは何か
- 犯罪行為、それを取り巻く周辺事象を理解するために心理学的方法論を用いる学問体系
- 研究対象は幅広く、犯罪者の行動、犯罪発生メカニズム、捜査手法、加害者・被害者の特徴、法廷での証言、犯罪者への処遇、防犯策など
- 犯罪心理学会HPより
2. 犯罪心理学を学ぶ上でおすすめの大学の基準
- 犯罪心理学界に所属する教員がいること
- 実務経験豊富な教員がいること
- 偏差値が高いこと
- 大学院進学を目指す場合は、研究室の充実度も考慮
3. 興味のある教授に直に教えを請う道
- 学会などで知り合い、直接指導を受ける
- 心理学には様々な流派があり、全ての流派の第一人者が1つの大学にいるわけではない
- 大学の垣根を越えて様々な先生に教わることも可能
4. おすすめの大学
- 国公立
- 東北大学文学部・心理学専修:荒井先生
- 私立
- 法政大学文学部・心理学科:越智先生
- 東洋大学社会学部・社会心理学科:桐生先生
- 立正大学心理学部:西田先生、片受先生
- 関西国際大学人間科学部・犯罪心理学専攻
- 人間環境大学心理学部・犯罪心理学科
- 昭和女子大学人間社会学部・心理学科:田中先生
- 文教大学人間科学部:須藤先生
- 大阪経済大学人間科学部・人間科学科:坂野先生
- 日本大学文理学部:越智先生、渡邊先生
- 東京未来大学こども心理学部・こども心理学科:出口先生
5. まとめ
- 犯罪心理学は奥が深く、本格的な学習・研究は大学院からになることが多い
- 大学でも学ぶことが出来る大学は多い
- 上記は犯罪心理学を学ぶお勧め大学ランキング
6. その他
- このリストはあくまでも参考であり、個人のニーズや目的に合わせて大学を選ぶことが重要
- 犯罪心理学に関する書籍や論文を読むこともおすすめ
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