あなたは、もしかすると、ランキングに振り回されることなく、自分にとって本当に価値のある大学選びをしたいと考えているのかもしれません。
世界大学ランキングは、多くの学生や教育関係者にとって重要な指標の一つとされていますが、実際にはその意味や価値を疑問視する声も少なくありません。
特に、2024年版のような最新のランキングや、日本版ランキングで東大、一橋、早稲田、慶応、上智などがどのような位置づけにあるのかを見るとき、その目的や指標を理解していなければ、ランキングの真の意味を見失ってしまうことがあります。
世界大学ランキングが批判される一因として、「東大の世界ランキングが低いのはなぜ?」といった疑問が挙がります。
これは、ランキングの基準がすべての学問分野やキャリア目標に適しているわけではないためです。実際、専攻分野や自分のキャリアに最も適した大学がランキングでは低い位置にあることも珍しくありません。
この記事では、世界大学ランキングの目的や指標、そしてなぜ「世界大学ランキングはおかしい」と批判されるのかについて掘り下げ、ランキングを超えた視点で自分にとっての最適な大学選びの方法を探求します。
自分のキャリアや専攻分野に真に価値をもたらす選択をするために、世界大学ランキングをどのように捉え、利用すべきかを見ていきましょう。
ポイント
- 世界大学ランキングが批判される主な理由とその背景
- 世界大学ランキングの目的や指標がどのように構成されているか
- 東大など日本のトップ大学がランキングで低い位置にある理由
- ランキングに振り回されず、専攻分野や自分のキャリア目標に合った大学選びの方法
世界大学ランキング意味ない?真実を探る
世界大学ランキングの目的や指標
世界大学ランキングは、世界中の高等教育機関のパフォーマンスを比較し、学術的な質、研究の影響力、国際的な展望などを明らかにすることを目的としています。
評価指標には、教育の質を示す「教員と学生の比率」、研究の影響力を示す「論文の引用数」、大学の国際性を示す「国際学生比率」や「国際教員比率」、さらに大学と産業界との連携を示す「産業界からの収入」などが含まれます。
これらの指標は、大学がどれだけ優れた教育と研究活動を行っているか、そしてその成果がどれだけ広く社会や国際的に認知されているかを測定するために設計されています。
しかし、これらの指標が全ての大学や学問分野に等しく適用できるわけではなく、特定の地域や言語圏、専攻分野に偏りが生じる可能性があります。
そのため、ランキング結果を参考にする際には、これらの背景を理解し、自分の学習目標やキャリアプランに合わせて適切に活用することが重要です。
英語公用語化の意図は講師Nさんの解説のとおりだろう。世界大学ランキング対応。 https://t.co/ZBL6l3Tyw1
— 遮二無二 (@CoGiToErGO_SUM2) February 9, 2024
東大の世界ランキングが低いのはなぜ?
東京大学が世界大学ランキングで思ったほど高くない理由には、いくつかの要因が考えられます。まず、ランキングの評価基準が英語圏、特に英米の大学システムに有利な構造になっていることが挙げられます。
これは、英語での論文発表数や国際的な引用率が評価指標の大きな割合を占めているためです。英語が母国語でない大学では、これらの指標で高いスコアを得るのが困難です。
また、東京大学のように、高度な専門教育や研究が母国語で行われている場合、英語での出版や国際的な共同研究が相対的に少なくなりがちです。
加えて、留学生比率や国際教員比率など、国際化指標においても、日本の大学は他国の大学と比べて低い傾向にあります。これらの要因が組み合わさることで、東京大学のような非英語圏の一流大学でも、世界ランキングでの順位が低くなる可能性があります。
これは、ランキングが大学の全体的な質や特色を完全に反映しているわけではないことを意味します。
世界大学ランキング 2024
繰り返しになりますが世界大学ランキング2024では、様々な指標を基に世界中の大学が評価されています。これらの指標には、学術的評判、教員と学生の比率、国際性(留学生の割合や国際教員の割合)、研究の影響力(論文の引用数)などが含まれます。
今後のランキングでは、新たにサステナビリティや雇用成果などのカテゴリーも導入されることで、大学の多角的な評価がより深まることが期待されています。これにより、大学選びの際には、自分の専攻やキャリア目標に合った大学を見つけやすくなるでしょう。
大学 | 国・所在地 | 総合スコア |
---|---|---|
1位 マサチューセッツ工科大学 | アメリカ | 100 |
2位 ケンブリッジ大学 | イギリス | 99.2 |
3位 オックスフォード大学 | イギリス | 98.9 |
4位 ハーバード大学 | アメリカ | 98.3 |
5位 スタンフォード大学 | アメリカ | 98.1 |
6位 インペリアル・カレッジ・ロンドン | イギリス | 97.8 |
7位 ETHチューリッヒ | スイス | 93.3 |
8位 シンガポール国立大学 | シンガポール | 92.7 |
9位 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン | イギリス | 92.4 |
10位 カリフォルニア大学バークレー校 | アメリカ | 90.4 |
11位 シカゴ大学 | アメリカ | 90.3 |
12位 ペンシルベニア大学 | アメリカ | 89.4 |
13位 コーネル大学 | アメリカ | 89.3 |
14位 メルボルン大学 | オーストラリア | 87.9 |
15位 カリフォルニア工科大学 | アメリカ | 87.8 |
16位 イェール大学 | アメリカ | 87.7 |
17位 北京大学 | 中国 | 87.0 |
17位 プリンストン大学 | アメリカ | 87.0 |
19位 ニューサウスウェールズ大学 | オーストラリア | 86.7 |
19位 シドニー大学 | オーストラリア | 86.7 |
21位 トロント大学 | カナダ | 86.3 |
22位 エディンバラ大学 | イギリス | 86.1 |
23位 コロンビア大学 | アメリカ | 85.9 |
24位 PSL研究大学 | フランス | 85.8 |
25位 清華大学 | 中国 | 84.9 |
26位 南洋理工大学 | シンガポール | 84.5 |
26位 香港大学 | 香港 | 84.5 |
26位 ジョンズ・ホプキンス大学 | アメリカ | 84.5 |
29位 東京大学 | 日本 | 84.3 |
大学 | 国・所在地 | 総合スコア |
---|---|---|
30位 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 | アメリカ | 83.8 |
31位 マギル大学 | カナダ | 83.7 |
32位 マンチェスター大学 | イギリス | 82.2 |
33位 ミシガン大学アナーバー校 | アメリカ | 81.7 |
34位 オーストラリア国立大学 | オーストラリア | 81.5 |
34位 ブリティッシュコロンビア大学 | カナダ | 81.5 |
36位 スイス連邦工科大学ローザンヌ校 | スイス | 80.4 |
37位 ミュンヘン工科大学 | ドイツ | 80.0 |
38位 パリ工科大学 | フランス | 79.5 |
38位 ニューヨーク大学 | アメリカ | 79.5 |
40位 キングス・カレッジ・ロンドン | イギリス | 79.3 |
41位 ソウル大学 | 韓国 | 78.5 |
42位 モナッシュ大学 | オーストラリア | 78.2 |
43位 クイーンズランド大学 | オーストラリア | 78.1 |
44位 浙江大学 | 中国 | 77.8 |
45位 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス | イギリス | 76.9 |
46位 京都大学 | 日本 | 76.3 |
47位 デルフト工科大学 | オランダ | 76.2 |
47位 ノースウェスタン大学 | アメリカ | 76.2 |
47位 香港中文大学 | 香港 | 76.2 |
50位 復旦大学 | 中国 | 74.4 |
世界大学ランキングがおかしいと批判される理由
世界大学ランキングが受ける批判の中心は、その評価指標の選択と適用方法にあります。多くの学者や教育関係者は、これらのランキングが一部の指標に偏りすぎており、大学の教育や研究の質全体を公正に反映していないと主張しています。
日本版ランキング 東大や一橋、早稲田、慶応、上智の位置
日本版の大学ランキングでは、国内の教育水準を反映し、東京大学や一橋大学などの国立大学上位に位置し早稲田大学、慶應義塾大学などが私大でランクインしています。
順位 | 総合順位 | 大学 | 総合スコア |
---|---|---|---|
1位 | 29位 | 東京大学 | 84.3 |
2位 | 46位 | 京都大学 | 76.3 |
3位 | 80位 | 大阪大学 | 63.9 |
4位 | 91位 | 東京工業大学 | 61.6 |
5位 | 113位 | 東北大学 | 58.0 |
6位 | 164位 | 九州大学 | 49.7 |
7位 | 176位 | 名古屋大学 | 48.5 |
8位 | 196位 | 北海道大学 | 46.2 |
9位 | 199位 | 早稲田大学 | 45.9 |
10位 | 214位 | 慶應義塾大学 | 44.0 |
11位 | 355位 | 筑波大学 | 30.9 |
12位 | 446位 | 豊田工業大学 | 25.7 |
13位 | 472位 | 広島大学 | 24.5 |
14位 | 476位 | 神戸大学 | 24.3 |
15位 | 481位 | 一橋大学 | 23.9 |
16位 | 611-620位 | 東京医科歯科大学 | |
17位 | 631-640位 | 立命館大学 | – |
18位 | 661-670位 | 東京理科大学 | – |
19位 | 701-710位 | 千葉大学 | – |
【春入学を廃止 全学生が秋入学へ】「大阪公立大の公用語を英語に」と吉村知事 公立大の国際競争力強化 | 関西のニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ
世界大学ランキング日本版1位の東北大は国際性めっちゃ高いよ。まず東北大を見習ったらどうだい? https://t.co/4kH7CvRp5h
— 富岡隆@大学受験講師 (@gaku__pro) February 9, 2024
注意点:専攻分野と自分のキャリアに注目
世界大学ランキングを参考にする際、特に注意すべき点は、ランキング全体ではなく、自分の専攻分野やキャリア目標に合致するかどうかを重視することです。
総合ランキングが高い大学であっても、あなたが興味を持つ特定の分野での評価が必ずしも高いとは限りません。
例えば、工学部門で世界トップクラスの評価を受けている大学が、人文科学では中位以下の評価であることも珍しくありません。
また、大学の国際的な評価が高いからといって、その大学があなたのキャリア目標に必ずしも適しているとは限りません。
将来、特定の地域で働くことを目指している場合、その地域での大学の知名度やネットワークがより重要になることがあります。
さらに、大学選びでは、研究設備、教授陣との相性、留学生支援の充実度など、ランキングでは測定しづらい要素も重要です。
自分の専攻分野やキャリアプランに合致する大学を選択するためには、ランキング情報を参考にしつつも、それ以外の情報源も幅広く調査することが肝心です。
世界大学ランキング(コンピュータサイエンス分野)だと、UECはFランらしい
うちの大学、別に情報系の研究に強いわけではないんかな pic.twitter.com/fYbNoWF4oG— 蓮月@3DCG &セキュ情とメディ情の融合系 (@Rengetsu3777) February 8, 2024
世界大学ランキングを賢く利用する方法
世界大学ランキングを賢く利用するためには、ランキングの背後にある評価基準と目的を理解し、自分の学びたい分野やキャリア目標に合致するかを考慮することが重要です。
まず、各ランキングがどのような指標に基づいているのかを確認しましょう。例えば、研究の質、教育の質、国際性、産業界との連携など、ランキングによって重視される指標は異なります。
これにより、あなたが重視する要素がランキングでどの程度反映されているかがわかります。 次に、自分が興味を持つ分野や専攻における大学の評価をチェックします。全体ランキングが高くても、特定の分野では中位やそれ以下の場合もありますので、自分の目指す分野でのランキングを調べることが重要です。
また、大学のウェブサイトや公式資料で提供される情報、在校生や卒業生のフィードバックも参考にしましょう。 さらに、ランキングだけに頼らず、大学の所在地、キャンパスの雰囲気、学費、奨学金の有無、留学生のサポート体制など、自分にとって重要な他の要素も考慮に入れることが肝心です。
例えば、留学生の多様性や国際交流の機会が豊富な大学を選ぶことで、グローバルな視野を養うことができます。 最後に、大学訪問やオープンキャンパスに参加し、直接情報を収集することも大切です。
実際にキャンパスを訪れることで、大学の雰囲気や設備を肌で感じることができますし、質問に直接答えてもらう機会も得られます。
これらのステップを踏むことで、世界大学ランキングを賢く利用し、自分に最適な大学選びができるでしょう。
まとめ:世界大学ランキングは意味ない。振り回されず選択しよう
大学選びにおいて、世界大学ランキングは参考情報の一つとして役立ちますが、それに振り回されずに自分に合った選択をすることが重要です。
ランキングは多くの場合、特定の基準に基づいていますが、それが必ずしもすべての学生にとって最適な指標とは限りません。
自分の学びたい分野やキャリア目標、大学のロケーションやキャンパスの雰囲気、留学生のサポート体制など、個々のニーズに合わせた検討が必要です。
また、専攻分野や特定のプログラムにおける大学の強みを調査し、それが自分の将来の目標にどのように貢献するかを考えましょう。大学の公式ウェブサイト、オープンキャンパス、在校生や卒業生の意見など、ランキング以外の情報源も積極的に活用することが大切です。
最終的には、ランキングが高い大学に進学することも重要かもしれませんが、より重要なのは自分自身がその大学で何を学び、どのように成長できるかを見極めることです。
自分の目指す未来に最適な選択をするために、ランキング情報を賢く利用しつつ、自身の価値観や目標に合った大学を選択しましょう。
- 世界大学ランキングは評価指標の偏りが存在する
- 評価基準は英語圏の大学に有利に設定されている
- 日本の大学が低ランクになる主な原因は英語論文の少なさ
- 専攻分野やキャリア目標に合った大学選びが重要
- ランキングは一つの参考情報に過ぎない
- 留学生比率や産業界からの収入が評価を左右することも
- 非英語圏の大学は国際的なランキングで不利
- 小規模な優秀な大学や特定分野での優秀さは反映されにくい
- 教育の質とランキングの順位は必ずしも一致しない
- ランキング上位だけを目指す政策は大学教育の多様性を損ねる恐れがある
- クリティカルにランキング情報を受け止める態度が求められる
- ランキング情報を利用する際はその背景や制度を理解することが必要