多摩美術大学は、美大界の早慶とも称される名門校です。
その高い評価は、教育の質の高さと卒業生の活躍によるもの。
しかし、多くの受験生が感じる「多摩美術大学は難しい」という印象には、実技試験の存在や競争率の高さが関係しています。
この記事では、多摩美術大学の入試の難易度を解き明かし、合格に向けた具体的なアプローチを提案します。
ポイント
- 多摩美術大学が美大界でどのような位置づけにあるか
- 入試の偏差値や倍率に関する具体的なデータ
- 合格するために必要な準備や努力の方向性
- 実技試験以外にも、実技なしの入試オプションがあること
多摩美術大学は難しいが不可能な難関ではない‼
多摩美術大学は名門で高学歴と見なされる
多摩美術大学(たまび)は、日本の美術大学の中でも特に高い評価を受けており、美大界の早稲田と慶應義塾、いわゆる「美大の早慶」と称されることがあります。
この大学は、5美大(多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、女子美術大学、日本大学芸術学部)の中でも特に名門とされており、高学歴とみなされる学生が多く集まります。
高学歴かは定義が人により分かれますが知名度は抜群で知らない人というのは少ないでしょう。少なくとも企業人事は評価してくれるはずです。
それは教育の質の高さと、卒業生が多方面で活躍していることが、その評価の理由です。
ただ、美術やデザインの道を志す学生にとって、単に名門であることだけではなく、自分の興味やキャリア目標に合った教育を提供しているかも重要です。
多摩美術大学は、幅広い分野をカバーしているので、多様な興味を持つ学生にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
多摩美術大学の倍率や偏差値
多摩美術大学の入学試験は、その倍率と偏差値から見ても、それなりに難関であることがわかります。
偏差値は37.5~55とされています。日東駒専くらいの偏差値ですがこれに実技が加わります。
なので、見た目の偏差値以上に多くの受験生にとって大きな挑戦となります。
倍率も4倍から5倍程度です。下記は2023年のデータです。
選抜方式 | 倍率 | 合格者数 |
---|---|---|
全選抜 | 4.14 | 157 |
一般選抜 | 4.34 | 2,815 |
学校推薦型選抜 | 3.93 | 416 |
総合型選抜 | 1.71 | 240 |
共テ利用 | 4.54 | 253 |
看板のグラフィックデザイン学科においては倍率が7倍前後あります。(学科により倍率が異なります)
しかし、難しいとされる試験であっても、不可能ではありません。
合格するためには、基礎的な学力に加え、実技での表現力や独自の視点が求められます。したがって、過去問題の研究やポートフォリオの充実、そして何よりも個人の感性を磨くことが重要です。
また、専門の予備校で学ぶことにより、実技試験への対策を強化することも一つの手段です。多摩美術大学への合格は、受験生の努力と情熱によって、決して不可能ではない目標と言えるでしょう。
多摩美術大学の浪人率は?
多摩美術大学への入学を目指す学生の中には、一度目の受験で成功しない場合、もう一年勉強を続けて再挑戦する人がいます。
5美大のような名門校を目指す受験生の中には、高い目標を達成するために浪人を選択する人も少なくありません。
しかし、具体的な浪人率は公開されていないため、正確な数字を知ることは難しいです。
参考として東京芸大の浪人率は約7割から8割というデータがあります。また、武蔵野美術大学は浪人率が3割から4割という話があります。学科によっては半数以上が浪人と言うこともあるようです。
一方、多摩美術大学に合格する受験生は、美大生全体の上位何パーセントに位置するのでしょうか?
武蔵野美術大学とともに、多摩美術大学を目指す学生は、全国の美大志望者の中でも特に上位の成績を収めていると考えられています。
されを計算してみましょう。こちらのサイトの思考を参考にさせていただきました。
統計によると美大生の数:62350人。
そのうち四芸大と武蔵野美術大学と多摩美術大学の学生さんが10,329人。(各大学のHPの学生数の合計)
つまり上位16.6%となります。
*ちなみに四芸大は国公立の京都市立芸術大学・金沢美術工芸大学・東京藝術大学・愛知県立芸術大学を指します。
受験生の上位16%というのは明治大学や立教大学などのMARCHと呼ばれる大学に合格するのと大体同じ割合になります。
実際、実技なしの共通テスト入試の合格点がMARCHの共通テスト利用の合格点に近いです。
難しいですが頑張れば充分に目指せそうですね‼
美大出身のデザイナーの方も下記のようにおっしゃっています。
多摩美武蔵美って、確かに簡単ではない。
けど、首都圏の予備校で、高3の春から始めてちゃんと対策すれば、目指せる、なんなら受かっちゃう、というのが正直な肌感覚だ。
東京芸大は1年じゃ厳しいが、金沢や京都は、実技の方は頑張れば勝負の土俵に立てる。
武蔵美多摩美は筋が良ければ割と合格できる(グラ単願とかだと、運も絡むので難しいけど…)
多摩美術大学の就職:有名人も多くすごい評価されている
多摩美術大学から卒業した学生の就職先は、その多様性と質の高さで知られています。
広告業界、デザイン業界、出版業界など、クリエイティブな分野での就職が特に目立ちます。
この大学の卒業生が選ばれる理由の一つに、高い専門性と創造力が挙げられます。
加えて、多摩美術大学は学生のキャリアサポートにも力を入れており、就職活動を通じて学生の能力が適切に評価されやすい環境を提供しています。
その結果、多くの有名企業や、社会的に影響力のあるポジションに多摩美術大学の卒業生が就く例が数多く見られます。
また、多摩美術大学の卒業生には、著名なアーティストやデザイナーも多数おり、これらの有名人がその就職先で大きな成功を収めている事例も、多摩美術大学の教育の質の高さを物語っています。
下記に有名人リストの一部を置いておきます。全てみたい方はこちらからどうぞ。
名前 | 職業 | 生年月日 | 出身地 |
---|---|---|---|
佐藤可士和 | アートディレクター | 1965年1月21日 | 東京都 |
松任谷由実 | ミュージシャン | 1954年1月9日 | 東京都 |
山田玲司 | 漫画家 | 1959年1月15日 | 福岡県 |
竹中直人 | 俳優 | 1956年4月10日 | 東京都 |
三宅一生 | ファッションデザイナー | 1938年4月22日 | 広島県 |
日比野克彦 | 芸術家 | 1948年1月25日 | 東京都 |
蜷川実花 | 写真家 | 1972年10月18日 | 東京都 |