憧れの職業の一つにパイロットがあります。
さてパイロットになるためにはどうしたらいいのでしょうか?
本記事では、将来の航空業界でのパイロットとして活躍するために、日本国内で評価の高い大学およびその養成プログラムをランキング形式で紹介します。
航空大学校、私立大学のパイロット養成コース、航空会社の自社養成プログラムなど、各教育ルートの特徴やメリット、デメリットを比較し、それぞれの進学先がパイロットとしてのキャリアにどのように寄与するかを解説します。
この情報が、未来のパイロットを目指す皆さんの進路選択に役立てば幸いです。
ポイント
- 日本におけるパイロット養成が可能な大学のランキング情報
- 各大学のパイロット養成プログラムの特徴と強み
- 教育プログラムの違いがキャリアパスにどのように影響するか
- 航空業界での就職率やキャリア発展の見通し
パイロットになるための主なルート
パイロットを目指すには、主に三つの異なるルートがあります。
これには航空大学校、私立大学のパイロット養成コース、そして航空会社の自社養成が含まれます。
それぞれのルートには特徴があり、受験者のニーズに応じて選択することができます。
航空大学校は、厳しい入学試験を通過する必要があり、国が運営する正式な訓練機関として認められています。
ここでは、民間または自衛隊のパイロットとして必要な技術と知識を学ぶことができます。
一方で、私立大学のパイロット養成コースは、一般の大学教育と並行してパイロットとしての訓練が行われることが多く、学士号も取得できるため、幅広いキャリアを築く基盤となります。
また、自社養成とは、航空会社が独自に行う訓練プログラムのことで、これに参加することで、直接その航空会社のパイロットとして働く道が開かれます。
自社養成は、特定の航空会社に就職が決定しているため、その会社の運航する機材やルートに特化した訓練を受けることができるというメリットがあります。
ただし、転職が出来ないというデメリットがあります。さらに訓練期間が3,4年はかかると言われています。
航空大学校を卒業
航空大学校は、日本国内で唯一の国立の航空専門教育機関であり、高度なパイロット訓練を提供しています。
ここに進学するためには、通常の大学とは異なり、2年以上の大学教育を経て必要な単位を取得していることが求められます。
これは、航空分野に特化した専門知識を持った学生を募集するためです。
航空大学校の学費についてですが、公立大学であるため、私立大学と比べて学費は比較的低価格で設定されています。
入学料は約28万円、年間の授業料は約67万円となっており、これに加えて寄宿施設の使用料や教材費が必要になります。
また、飛行訓練に必要な実習費用は別途必要となり、これは数百万円に上ることも珍しくありません。
しかし、航空大学校の卒業生は、民間の航空会社だけでなく、自衛隊や公務員としての道も開けるため、その投資に見合う価値があると考えられています。
航空会社の自社養成でパイロットになる
自社養成プログラムとは、航空会社が独自に運営するパイロット育成プログラムのことを指します。
この種のプログラムでは、特定の航空会社のニーズに特化した訓練が行われ、採用後にはその航空会社での就業が前提となります。
日本で広く知られるANA(全日本空輸)も、自社養成プログラムを持っており、特に高学歴の候補者が有利とされる傾向にあります。
これは、パイロットとしての知識や技術だけでなく、広範囲にわたる教養や判断力が求められるためです。
しかし、このプログラムにはいくつかのデメリットがあります。
まず、先述した通り特定の航空会社のみでの訓練となるため、その会社以外での転職が難しいことが挙げられます。
また、航空会社に採用されても、最終的にパイロットとして配属される保証はありません。
この不確実性は、多くの志望者にとって大きなリスクとなる可能性があります。
そのため、自社養成プログラムを選ぶ際には、これらのリスクを十分に理解し、長期的なキャリアプランを検討することが重要です。
そもそも航空会社に就職すること自体が難易度が高く、高学歴な学生が有利です。
参考:日本航空採用大学ランキング
早慶が多いですね。そして、法政大学や桜美林大学などのパイロット養成コースがある大学の躍進も目立ちますね。
順位 | 大学名 |
---|---|
1位 | 慶應義塾大学 |
2位 | 早稲田大学 |
3位 | 法政大学 |
4位 | 桜美林大学 |
5位 | 東京大学 |
6位 | 上智大学 |
7位 | 東京外国語大学 |
8位 | 明治大学 |
9位 | 立教大学 |
10位 | 関西学院大学 |
各私大のパイロット育成コースを紹介
日本国内には、複数の私立大学がパイロット育成コースを設けています。
これらのプログラムは、通常の大学教育と並行して、専門的な航空訓練を提供することで、卒業時にはパイロットとして直接就職が可能な学生を育成します。
例えば、東海大学や桜美林大学などが知られており、これらの大学では航空業界に特化したカリキュラムが組まれています。
しかし、これらのプログラムの大きなデメリットとしては、学費が非常に高いことが挙げられます。
数千万円とかかり私大医学部なみと言えるでしょう。
パイロット育成には専用の飛行機やシミュレーターが必要であり、これらの設備投資が学費に反映されるためです。
学費は数百万円単位で異なることがあり、これに加えて飛行時間に応じた追加費用が必要になることもあります。
そのため、パイロット育成コースを選択する際には、費用対効果を慎重に考える必要があります。
また、奨学金や学生ローンなどのサポートを利用することで、負担を軽減する方法も検討する価値があります。
東海大学 パイロット養成コース
東海大学のパイロット養成コースは、航空宇宙学科に設けられており、エアラインパイロットを目指す学生に特化した教育を提供しています。
このコースは、理論と実践の両方に重点を置いており、学生に航空業界で求められる高度な技術と知識を身につけさせます。
学生は、入学後すぐに基本的な航空理論を学び、その後、国内外の飛行訓練施設で実際の飛行訓練を経験します。
特に、アメリカのノースダコタ大学との提携により、学生は国際的な環境での飛行スキルを磨くことができるため、グローバルな航空業界で活躍するための準備が整います。
このコースの特徴は、航空業界と密接に連携している点にあります。東海大学は複数の航空会社と協力関係にあり、卒業生の就職率は非常に高いです。
ただし、このような専門的なコースであるため、学費は他の学部に比べて高額になる傾向があります。
学生には、航空業界でのキャリアを真剣に考え、長期的な視点で教育投資を計画することが求められます。
気になる費用ですが東海大学の学費は720万円ですが、訓練費用が1200万円、さらに燃料代、その他の生活費用などがかかり4年間で3000万円前後だと言われています。(円高か円安下で費用が増減します)
法政大学 パイロット養成コース
法政大学のパイロット養成コースは、理工学部機械工学科に設けられています。
このコースは、特に日本のエアライン業界に焦点を当て、日本国内の訓練施設での飛行訓練を中心に行います。
これにより、学生は日本の航空法規や業界の特性に精通することができます。
法政大学のコースの特色は、全ての飛行訓練と理論教育が国内で完結する点です。
これにより、言語の壁に悩むことなく、専門知識を深めることができます。また、学内には多くの航空業界の専門家がおり、現場の経験を直接学べる機会が豊富にあります。
しかし、国内で完結する訓練は国際的な視野を持ちにくいというデメリットもあります。
したがって、法政大学では、語学教育にも力を入れ、グローバルな航空業界で活躍できるようなカリキュラムが組まれています。
気になる学費ですが法政大学も3000万円前後かかると言われています。(燃料代などが変動します)
崇城大学パイロット養成コース
崇城大学のパイロット養成コースは、工学部宇宙航空システム工学科に設けられており、航空操縦だけでなく、航空機のメンテナンスや管理に関する広範な教育を提供しています。
このコースは、学生が航空工学の全般にわたる知識を深めることができるように設計されています。
崇城大学の特色は、実際の航空機を使用した実習が多く行われることです。これにより、学生は理論だけでなく、実際の航空機に触れながら学ぶことが可能です。この経験は、卒業後、航空業界で即戦力として活躍するための強みとなります。
ただし、航空機を用いた実習は高コストであるため、学費は他の学部よりも高めです。また、航空業界は景気の影響を受けやすいため、卒業後の就職が不安定になることがあります。
桜美林大学養成コース
桜美林大学のパイロット養成コースは、比較的新しいプログラムであり、国際リベラルアーツ学部に属しています。このコースは、多文化的な視点を持った航空専門教育を提供し、学生に国際的な航空業界でのキャリアを追求するための基盤を築きます。
プログラムの特徴は、リベラルアーツ教育と専門技術の融合にあります。学生は、航空業界に関連する専門知識だけでなく、広い視野を持つための教養教育も受けることができます。
このアプローチにより、学生は多様な背景を持つ人々と効果的に協働する能力を養うことができます。
しかし、リベラルアーツのアプローチは、航空技術の専門性に比重を置かないため、技術的な訓練が不十分になる可能性があります。
そのため、卒業生は、技術的なスキルをさらに深めるための追加的な訓練が必要になることもあります。
パイロットになるための大学ランキング
学費やパイロットになれる確率などのメリット、デメリットを多角的に考慮してランキングを作成しました。
順位 | 大学名 | 備考 |
---|---|---|
1位 | 航空大学校 | |
2位 | 東海大学 | |
3位 | 東京大学 | 自社養成を目指す |
3位 | 法政大学 | |
4位 | 桜美林大学 | |
5位 | 海上保安学校 | |
6位 | 慶應義塾大学 | 自社養成を目指す |
7位 | 千葉科学大学 | |
8位 | 防衛大学校 | |
9位 | 航空学生(自衛隊のパイロットはここの出身も多い) | |
10位 | 早稲田大学 | 自社養成を目指す |
まとめ:パイロットになるための大学ランキング
この記事を通じて、パイロットになるための多様な道があることが明らかになりました。
東海大学、法政大学、崇城大学、そして桜美林大学といった様々な大学が、それぞれ特色あるパイロット養成コースを提供しています。
これらのプログラムは、将来のエアラインパイロットに対して、必要な教育と訓練を施しており、学生によっては国内外の経験を積むチャンスも提供されています。
一方で、これらのコースにはそれぞれメリットとデメリットが存在します。
例えば、東海大学は国際的な視野を広げるチャンスを提供する一方で、学費が高額になるというデメリットがあります。
法政大学は国内で完結するため、国際的な視野が欠ける可能性がありますが、言語の壁なく学べるというメリットもあります。
崇城大学と桜美林大学も、それぞれ工学的な実習とリベラルアーツの教育を強みとしているものの、卒業後にさらなる訓練が必要になる場合があります。
どのコースを選択するかは、個々の興味やキャリア目標、さらには経済的な状況に大きく依存します。
しかし、最も重要なことは、自分自身の夢に向かって粘り強く努力することです。
パイロットという職業は多くの挑戦と犠牲を伴いますが、天空を自由に飛び回ることができる喜びは、それに勝るものはありません。将来パイロットを目指す皆さんにとって、この情報が役立つことを願っています。夢に向かって、一歩一歩確実に進んでいきましょう。
- パイロットになる主なルートは航空大学校、私立大学のパイロット養成コース、航空会社の自社養成である
- 航空大学校は国が運営し、厳しい入学試験が必要
- 航空大学校卒業生は民間または自衛隊パイロットとしての道が開かれる
- 私立大学の養成コースは大学教育と並行して行われ、学士号も取得可能
- 自社養成は特定の航空会社に就職が決定し、会社の機材やルートに特化した訓練を受ける
- 自社養成は転職が困難というデメリットがある
- 航空大学校の学費は公立大学として比較的低価格
- 航空大学校の卒業生は公務員や自衛隊の道もある
- 自社養成プログラムの採用は高学歴の候補者が有利
- 自社養成プログラムは特定航空会社での就業が前提となる
- 東海大学や桜美林大学など私立大学の育成コースは設備投資が高く学費も高額
- 私立大学の育成コースでは奨学金や学生ローンが利用可能
- 航空大学校は、日本唯一の国立航空専門教育機関
- 自社養成プログラム参加者は入社後のパイロット配属が保証されないリスクも
- 大学ランキングでは慶應義塾大学、早稲田大学が上位にランクインし、自社養成を目指す学生に人気