関西学院大学は、かつて「西の慶応」とも称されるほどの名門大学でした。
しかし、近年は推薦入試の割合が増えたことで「恥ずかしい」とされることが増え、その評価に疑問を持つ人も多くなっています。
今では一般入試により合格者の割合が大幅に増えていますがイメージの完全払拭には至っていません。
本記事では、関西学院大学が「オワコン」と言われた理由やその影響、そして大学が行っているイメージ回復のための取り組みについて詳しく解説します。
関西学院大学の実際の姿を理解し、誤解を解く手助けになれば幸いです。
ポイント
- 関西学院大学が「オワコン」と言われた理由
- 推薦入試の比率が高かった年の影響
- 現在の一般入試比率や志願者数の増加
- 関西学院大学の就職状況とブランド力
関西学院大学は恥ずかしい
関西学院大学がオワコンと言われた理由
関西学院大学が「オワコン」と言われた理由の一つに、推薦入試の比率が高かった年があることが挙げられます。
そのため、「推薦学院大学」と揶揄されることもありました。
この影響で、関西の高校からの評判が悪くなり、偏差値が下がった結果、「産近甲龍」と同格とまで言われるようになりました。
このため、大学は一般入試の比率を増やす努力をしてきましたが、依然としてそのイメージを完全に払拭するには至っていません。
例えば、推薦入試が多いという印象が強いため、学力が低い学生が多いのではないかという誤解が広がっていることも一因です。
実際には大学は推薦以外の合格者数を下記のように増やしています。(公式HPより)
年 | 一般、共通テスト合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
2021年 | 12444人 | – |
2022年 | 15829人 | +27.5% |
2023年 | 18081人 | +14.3% |
2024年 | 18555人 | +2.6% |
受験をしての入学者数の割合は53%となり他大学と遜色がない数字となりました。
ある年の受験での入学比率が35%だと言われていたので大きく改善(?)しましたね。
受験での合格比率が低いと推薦枠を持っていない高校の先生や生徒たちが激怒でしたから。
大学名 | 受験での入学者の割合 |
---|---|
関西学院大学 | 53% |
同志社大学 | 53% |
立命館大学 | 61% |
関西大学 | 52% |
京都産業大学 | 47% |
近畿大学 | 48% |
それにより志願者数が急増し人気は回復しているようです。
年 | 志願者数 | 前年比 |
---|---|---|
2021年 | 33,617人 | – |
2022年 | 38,737人 | +15.2% |
2023年 | 43,737人 | +12.7% |
2024年 | 52,624人 | +20.3% |
関西学院大学は東京や関東でいうとどの大学?
関西学院大学は、東京や関東で例えると「西の慶応」とも言われることがあります。
これは、関西学院大学がおしゃれなイメージがある大学でありお金持ちの子弟が通うイメージがある大学だからです。
実際、関西学院大学のキャンパスは日本一美しいと言われることがあります。
また、キリスト教系の大学であり、東京の青山学院大学や立教大学とも似ていると言われます。
近年、早稲田大学や慶應義塾大学も推薦入試の比率が高いですが、それでもなお高いブランド価値を保っているのに対し、関西学院大学はそのイメージを払拭するのに苦労しています。
関西学院大学の場合、推薦入試の比率が高いことでブランドが落ちたと感じる人も少なくありません。
そのため、関西学院大学は「かわいそう」と言われることがあります。
これは、関西と関東の大学文化や受験制度の違いも影響しているかもしれません。
関西学院大学 ひどい?やばい?偏差値がおかしい
関西学院大学が「ひどい」「やばい」と言われることがありますが、実際にはその偏差値にはまだ一定の高さがあります。
例えば、関西学院大学は「関関同立」の一角であり、産近甲龍とは偏差値に差があります。
関関同立とは、関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学の略で、いずれも関西地方で高い評価を受けています。
しかし、近畿大学の偏差値が近年上昇しており、関西学院大学との差が縮まってきているのも事実です。
具体的には、近畿大学が提供する多様な学部・学科が人気を集め、受験生の競争率が上がっていることが要因です。
それでも、関西学院大学のブランド価値は依然として高く、質の高い教育が提供されています。
参考:産近甲龍の各大学との偏差値比較
スタディサプリの偏差値を採用しました。
こうやって並べてみるとワンランクかツーランク差があることがわかりますね。
*近畿大学は医学部を除外しています。
大学名 | 志望者割合(範囲) |
---|---|
関西学院大学 | 50.0~70.0 |
甲南大学 | 42.5~52.5 |
京都産業大学 | 45.0~50.0 |
近畿大学 | 40.0~57.5 |
龍谷大学 | 40.0~55.0 |
参考:関関同立はやばい?なくなる?同志社だけ抜けて関関近立になる?
誰でも入れる大学では無い
ネット上の過激な発言が元で関西学院大学は、「誰でも入れる」という印象を持たれがちですが、実際には依然として難関大学です。
多くの受験生が挑戦しますが、その大半が合格できないのが現実です。
例えば、産近甲龍と比較しても、関西学院大学の方が難易度が高いことがわかります。
産近甲龍とは、産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学の略で、関西地方では比較的受験の難易度が低いとされています。
しかし、関西学院大学はそれよりも高い学力を要求しており、合格するためには相応の努力が必要です。
そのため、関西学院大学は簡単に入れる大学ではなく、しっかりとした学力が求められます。
関西学院大学の就職が悪いことは無い
関西学院大学の就職状況が悪いという噂がありますが、それは事実ではありません。
実際には、関西学院大学は高いブランド力を持ち、強力なOBネットワークも存在しています。
例えば、有名企業への就職率ランキングでは常に上位に位置しており、多くの卒業生が大手企業や一流企業に就職しています。
実際の有名企業就職率ランキングでは関関同立のうちでは同志社につぐ2位。
MARCHと比べても法政大学や中央大学よりも上位です。
国立大学と比べても千葉大や筑波大や滋賀大よりも関西学院大学のほうが上位なのです。
また、関西学院大学のキャリアサポートも充実しており、学生が自分の希望する職種や業界に就職できるよう、様々な支援が提供されています。
このため、関西学院大学の学生は他大学の学生と比較しても、就職活動で有利な立場に立つことができるのです。
参考:就職者3名以上の企業先
全て見たい方はこちらをどうぞ。
やはり年収が高い有名企業が並びますね。
キーエンス、アサヒビール、キューピー、ユニ・チャーム、京セラ、TOTO,ダイキン工業、パナソニック、クボタ、日立製作所、関西電力、本田技研工業、ソフトバンク、NTTドコモ、ヤフー、サイバーエージェント、JR西日本、JR東海、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、第一生命保険、アクセンチュア、リクルート、ロッテ、大和ハウス工業、サントリーホールディングス、村田製作所、スズキ、マツダ、日本IBM、ソニーミュージックエンターテインメント、などなど。
三大メガバンク就職者数合計(2023卒)
1位 慶應義塾大学(150名)
2位 早稲田大学(128名)
3位 東京大学(63名)
4位 京都大学(57名)
4位 立教大学(57名)
4位 中央大学(57名)
7位 大阪大学(56名)
8位 明治大学(49名)
9位 関西学院大学(40名)
10位 神戸大学(34名)— じゅそうけん (@jyusouken_jp) February 12, 2024
関西学院大学は、ビズリーチが運営するOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」と提携し、同大学の卒業生のデータベースを構築。
蓄積したOB/OG訪問の履歴データや卒業生のデータを活用することで、学生一人一人に合った最適なキャリア支援を実現し、就職満足度の向上を目指す。
— 『月刊人材ビジネス』編集室 (@jinzaibusiness) September 1, 2023
関西学院大学は、推薦入学者比率の高さから「推薦学院大学」と揶揄される近年のネガティブなイメージとは裏腹に、就職に強い。
とくに金融業界に強く、その実績は永遠のライバル・同志社に匹敵するか、企業によっては抜いている。
小樽商科大もそうだが、港町にある(か近い)大学は金融業界に強い。
— 学参の番長(転生済み) (@kosei_koetsu) January 25, 2024
参考:出身有名人の一部
全て見たい方はこちら。
名前 | 肩書 |
---|---|
小池百合子 | 元防衛大臣・元環境大臣 |
永島優美 | アナウンサー |
宮内義彦 | オリックス株式会社取締役 |
樋口武男 | 大和ハウス会長 |
橋本直 | お笑い芸人(銀シャリ) |
長岡奨 | 阿波銀行 代表取締役頭取 |
水野明人 | ミズノ社長 |
浦野靖人 | 衆議院議員 |
亀岡剛 | 昭和シェル石油 代表取締役社長 グループCEO(最高経営責任者) |
脇阪聰史 | 朝日放送 代表取締役社長 |
関芳弘 | 衆議院議員 |
団鬼六 | 小説家 |
大森久司 | 元参議院議員、元きんでん社長 |
田淵宏明 | 税理士、YouTuber |
まとめ:関西学院大学は恥ずかしい?近いうちに推薦学院大学のイメージは払拭なるか
関西学院大学は、近年、一般入試の比率を増やす努力をしています。
この取り組みは、推薦入試が多いと揶揄されていた過去のイメージを払拭し、学力重視の大学としての評価を高めるためです。
例えば、一般入試の枠を広げることで、多様な背景を持つ学生を受け入れ、学内の競争力を高めています。
今後、関西学院大学のこの努力が認識され、世間の評価も追いついてくるでしょう。
また、関西学院大学の就職におけるブランド力は依然として健在であり、多くの卒業生が名だたる企業で活躍しています。
このため、関西学院大学は将来的にも高い評価を維持し続けることが期待されます。
- 推薦入試の比率が著しく高かった年があった
- 「推薦学院大学」と揶揄されることがあった
- 関西の高校からの評判が悪くなった
- 偏差値が下がり「産近甲龍」と同格とされた
- 一般入試の比率を増やす努力をしている
- 推薦入試が多いとの誤解が広がった
- 推薦以外の合格者数が増加している
- 受験での入学者数が他大学と遜色ない
- 志願者数が急増し人気が回復している
- 「西の慶応」とも言われることがある
- キリスト教系で青山学院大学や立教大学に似ている
- 推薦入試の比率が高くブランドが落ちたと感じる人がいる
- 関西と関東の大学文化や受験制度の違いが影響
- 関西学院大学は「誰でも入れる」大学ではない
- 高い学力を要求する難関大学である