経済雑誌などでよく慶應の三田会の特集が組まれたりします。
普段は聞いたことがある程度なのですが、身近で三田会の存在を実感することがあります。
就活の時や大企業での出世レースの時など。
最近だと甲子園での慶應OBの応援が話題になりました。
今回は慶應三田会の光と闇の部分を掘り下げてみました。
ポイント
- 三田会がどのように慶應義塾大学の卒業生間で広範なネットワークを形成しているか
- 三田会の活動が卒業生にどのような利益をもたらすか
- 三田会の独特な文化や団結が外部からどのように見えるか
- 三田会の閉鎖的な側面がなぜ排他的と感じられる可能性があるか
三田会は気持ち悪い?メリットがやばい?
そもそも三田会とは
三田会は、慶應義塾大学の卒業生によって構成される広範なネットワークであり、福沢諭吉が提唱した「社中協力の精神」に基づいています。
これは、すべての卒業生が相互に協力し合うことを意味しており、この精神は慶應義塾の創立から現在に至るまで、校風として受け継がれています。
三田会は、国内に約800の地域会と、ニューヨークやシンガポールを含む70以上の海外の地域会を持つなど、全世界に広がっています。
特に注目すべきは、三田会が職種ごとにも細分化されていることです。
たとえば、株式会社〇〇三田会、〇〇銀行の三田会などと存在します。
さらには、就職活動を支援するキャリア三田会、不動産業界の専門家が集う不動産三田会、ベンチャー企業経営者向けのベンチャー三田会、さらにはファイナンシャルプランナーを対象とした専門の三田会までも存在します。
これらの会は、それぞれの分野で活動する卒業生が情報交換やビジネスの機会を提供し合い、相互扶助の精神に基づいた強固な絆を築いています。
三田会の文化は、一言で言えば「相互扶助」に集約されます。
このネットワークを通じて、卒業生たちは社会的な支援だけでなく、精神的な支えや指導を受けることも可能です。
学校への寄付活動も活発で、これによって学生や施設の充実に寄与しています。
このように、三田会はただの同窓会を超え、そのメンバーにとって価値ある社会的資源となっています。
三田会のメリットがやばい
三田会の最大のメリットは、社会的に高い地位を持つ人々が互いに支援し合う環境が整っていることです。
これは特にキャリア形成やビジネスの展開において大きな利点となります。
例えば、就職活動において三田会のリソースを活用することで、優れた企業へのアクセスが容易になります。
また、出世が期待できる職場であれば、三田会のネットワークを通じて昇進の機会も広がるでしょう。
ビジネスの面では、特に不動産三田会のような専門的な集まりが注目されます。
不動産三田会では、信頼性の高い情報交換が行われ、成約に至る確率も高くなると言われています。
ビジネスにおいては信頼が非常に重要であり、既に信頼関係が確立されている三田会のメンバー間での取引は、そのリスクを大幅に低減します。
さらに、どの大企業にも一定数の慶應義塾出身者が存在するため、三田会は各業界においても強力な影響力を持ちます。
しかし、これらのメリットがすべての人に等しく提供されるわけではなく、三田会に参加していない他校出身者には門戸が限られることもあり得ます。
そのため、三田会の存在は一部で排他的と見なされることもありますが、その社会的・経済的な利益は計り知れないものがあります。
多数の有名人がいる三田会の豪華さ
三田会には、多岐にわたる分野で活躍する多数の有名人がいます。
このネットワークは、トヨタ自動車やサントリーホールディングスといった一流企業のトップだけでなく、人気タレントの櫻井翔などの芸能人も含まれています。
この広範な影響力は、慶應義塾大学の卒業生が社長を務める上場企業327社の株式時価総額が約78兆円に達するほどであり、日本経済におけるその影響力は計り知れません。
政治の領域においても、三田会のメンバーは顕著な存在感を示しています。
数多くの元首相や大臣がこの会のメンバーであり、政治的な意思決定に大きな影響を与えてきました。(と、都市伝説のように言われています)
このような事実は、三田会が単なる学校の同窓会を超え、国を動かす力を有する独自の社会的構造であることを示しています。
三田会のメンバーが多岐にわたる分野で活躍する背景には、優れた教育環境と校友会の支援があります。
これにより、卒業生は自己の才能を最大限に伸ばし、それぞれの分野でトップに立つことが可能になっています。
しかし、この広範なネットワークが全ての人に平等な機会を提供しているわけではなく、その閉鎖性が批判の対象となることもあります。
参考:慶應卒の有名人の一部
全て見たい方はこちら。すごいメンバーですがほんの一部しかご紹介できませんでした。
陰謀論的なことが言われるのもわかりますね。
氏名 | 職業 |
---|---|
宇佐美洵 | 第21代日本銀行総裁 |
山本敏博 | 電通 代表取締役、社長執行役員 |
斉藤惇 | 東京証券取引所社長 |
國分文也 | 丸紅 代表取締役社長 |
安田隆夫 | ドン・キホーテ創業者 |
大野直竹 | 大和ハウス工業社長 |
浦上博史 | ハウス食品グループ本社 代表取締役社長 |
加賀見俊夫 | 株式会社オリエンタルランド代表取締役 |
野間省伸 | 株式会社講談社 社長 |
河野太郎 | 衆議院議員 |
海江田万里 | 元経済産業大臣・元民主党代表 |
甘利明 | 元経済産業大臣 |
石破茂 | 元防衛大臣 |
池田成彬 | 元大蔵大臣・第14代日本銀行総裁 |
中川秀直 | 元内閣官房長官 |
平沼赳夫 | 元経済産業大臣 |
阿川佐和子 | タレント、小説家 |
向井千秋 | 宇宙飛行士 |
勝間和代 | 経済評論家 |
池上彰 | ジャーナリスト |
池井戸潤 | 小説家 |
トリンドル玲奈 | タレント |
弘中綾香 | アナウンサー |
黒柳徹子 | 俳優、タレント |
水嶋ヒロ | 俳優 |
水卜麻美 | アナウンサー |
中田敦彦 | お笑い芸人 |
野田洋次郎 | ミュージシャン(RADWIMPS) |
二階堂ふみ | 俳優 |
宗教と揶揄されることも
三田会の独特の文化や慶應愛は、外部から見ると異様に映ることがあり、時には「宗教」と揶揄されることもあります。
この呼び方は、その強い結びつきや特有の作法が、外部の人々には過度なものと感じられるためです。
例えば、三田会のメンバー同士が交流する際に用いる専門的な呼称や、会合での礼儀作法は、他の同窓会と比較しても一層厳格であると言えます。
三田会がこのような評価を受ける一因は、その排他性にあります。
慶應義塾大学の卒業生でなければ参加できないこのシステムは、内部の者には強い結束力をもたらす一方で、外部の者には閉鎖的な印象を与えがちです。
加えて、この固有の文化が社会全体の多様性や開かれた交流を阻害しているとの批判も存在します。
それでも、三田会の文化は、そのメンバーにとって大きな誇りであり、多くの成功を収めた人々が互いに刺激と支援を提供する場となっています。
この文化が外部にどのように映るかはさておき、三田会が持つポジティブな側面、つまり強力なネットワーキングの機会や、個々のキャリア発展に対する貢献は無視できない事実です。
下記は帝国ホテル内にある東京三田倶楽部。帝国ホテルの社長がそもそも慶應。
気持ち悪い、やばいと思う人も一定数いる
三田会について、「気持ち悪い」「やばい」と感じる人が一定数存在するのは事実です。
特に、大学の卒業生が成人してからも、大勢で集まり校歌を熱唱する様子は、外部の人々から見ると異様な光景に映ることがあります。
50代、60代の大人が肩を組んで一斉に歌を歌う姿は、多くの人々にとっては少し違和感を覚えるものです。
このような行動は、強い学校愛と団結心を象徴していますが、それが逆に他者には排他的や過剰な忠誠のように解釈されることもあります。
しかし、この強い結びつきは、実利的な側面から見ると多くの人にとって羨望の対象でもあります。
三田会はそのメンバーに対して強力なサポートを提供し、キャリアの構築やビジネスの成功において有利な立場を与えることが多いため、その効果は計り知れません。
そのため、感情的な反応を差し引いても、その存在がうらやましいと感じる人がいるのは無理もありません。
このネットワークを利用することで、多くの門戸が開かれるため、その魅力は大きいのです。
そもそも人は群れるもの
とはいえ、人は本質的に群れる生き物であり、相互で協力し合うことは合理的な行動です。
三田会のような組織は、そのメンバーに対して相互支援の場を提供し、共通の背景を持つ人々がお互いに助け合うことを容易にします。
これは単に社会的な交流に留まらず、ビジネスチャンスの創出やキャリアアップの支援に直結することも多いです。
それぞれの人が仲間を作るのが合理的であると考えるのは、自分だけでは達成できない目標や、困難な状況を乗り越えるためには他者の支援が不可欠だからです。
三田会のようなネットワークは、それを体系的に行うための一つの手段であり、その効果は多くの成功事例に表れています。
このような組織が存在することで、個々のメンバーはより大きな可能性を追求することができるのです。
それゆえに、三田会のような強固なネットワークは、社会的にも大きな価値を持つと言えます。
下記の動画のメンタリストDAIGOさんのコメントが現実的な気がします。
メンタリストDAIGOさんも慶應かw
まとめ:三田会は気持ち悪い面もありやばいがうらやましい
三田会はその強大な影響力と広範なネットワークによって、多くの尊敬と同時に一定の批判も受けています。
この組織が持つすごみは、慶應義塾大学の卒業生たちが結束して互いに支援し合うことで、社会的、経済的な成功を多くのメンバーにもたらしています。
しかし、その閉鎖性や排他性が外部から見ると疎外感を感じさせることもあり、「嫌われる面」も生じてしまいます。
三田会のメンバーであることは、多くの扉を開く鍵となりますが、その強力な結びつきが時には「カルト的」と見なされることもあります。
特に、外部の人々がこのような緊密なネットワークにアクセスできない場合、不公平感や疎外感を覚えることがあります。
それでも、三田会の存在が多くの成功事例を生んでいることは否定できません。
このように、三田会はその功績により「恐るべし」と称されることもあります。
その強さが時には逆効果を生じさせることがありますが、その効果的なサポートシステムと強固なネットワークが多くの人々にとっては大きな価値となっています。
まさに、三田会の存在は多くの議論を呼ぶ一方で、その影響力の大きさを如実に示しています。
- 三田会は慶應義塾大学の卒業生が構成する広範なネットワークである
- 福沢諭吉によって提唱された「社中協力の精神」に基づいている
- 国内に約800の地域会が存在し、海外には70以上の地域会がある
- 職種ごとに細分化された三田会が多数存在する
- キャリア三田会や不動産三田会、ベンチャー三田会などがある
- 会員同士で情報交換やビジネスの機会を提供し合う
- 卒業生は三田会を通じて社会的な支援や精神的な支えを受けることができる
- 学校への寄付活動も活発であり、学生や施設の充実に寄与している
- 三田会は社会的に高い地位を持つ人々が互いに支援し合う環境を提供する
- 会員には就職活動や昇進の機会が広がる
- 慶應義塾出身者が327社の上場企業の社長を務める等、経済的に大きな影響力を持つ
- 会員には多くの著名人が含まれ、文化人から政治家、経済人まで幅広い
- その閉鎖性から外部からは排他的と見なされることがある
- 強い学校愛と団結心が、外部の人々には過剰な忠誠やカルト的と感じられることも
- ネットワークの利用が大きな魅力でありながら、不公平感や疎外感を生じさせることもある