航空保安大学校に興味を持つ皆さん、ようこそ。
この学校は、航空の安全を守る重要な職務に就くための専門的な訓練を提供する場所です。
しかし、その厳しいカリキュラムや独自の生活スタイルに不安を感じる方も多いでしょう。
本記事では、「航空保安大学校は本当に厳しいのか?」、「入学して後悔することはないのか?」、そして「どんな点が最高なのか?」について、具体的な情報とともにお伝えします。
実際の学生生活や卒業後のキャリアについて深く掘り下げることで、あなたの疑問や不安を解消し、正しい選択のお手伝いをいたします。
ポイント
- 航空保安大学校は学費や寮費がかからないこと
- 国家公務員として給与が支給されること
- プロとしての厳しいカリキュラムと退学の可能性があること
- 転勤が多く学位が取得できないこと
航空保安大学校は厳しい?後悔する?
航空保安大学校は学費も寮費もかからず給与をいただく身分
航空保安大学校の学生は、学費や寮費が一切かかりません。
入学後は全寮制となっており、研修生・学生には家賃無料の寮が提供されます。
各部屋はバス・トイレ付きの個室で、エアコンや机・椅子も完備されているため、勉強に専念できる環境が整っています。
航空保安大学校の学生は国家公務員の身分を有し、給与が支給されます。
現在、航空情報科および航空電子科の学生の場合は約17万7千円の給与が支給されるほか、ボーナスも支給されます。
これは学生が勉強に専念できるようにするためであり、学費や生活費の心配をせずに研修に集中できる点が大きなメリットです。
ただし、国家公務員としての身分を持つため、アルバイトはできません。
これは兼業禁止規定により、国家公務員が他の仕事に従事することが原則として禁止されているためです。
そのため、学生は勉強や研修に専念し、将来の職務に向けてしっかりと準備をすることが求められます。
このように、航空保安大学校では学費や寮費がかからず、国家公務員として給与を受け取りながら勉強に集中できる環境が整っています。
しかし、アルバイトができないことから、学生生活は国家公務員としての責任を自覚しつつ、学業に専念する必要があります。
一般企業の研修中の社員などに近く、大学生気分だと「厳しい」と感じるかもしれません。
外出はできるが長期休暇は無いに等しい
航空保安大学校の学生は、平日17時15分以降や休日には自由に外出することができます。
クラブ活動や友人との外出を楽しむ学生も多く、リフレッシュする時間を持つことが可能です。
防衛大学校などに比べると厳しくは無いと思われます。
一般企業の研修期間中などに近いかもしれません。
しかし、長期休暇は設けられておらず、お盆時期に3日間の休暇があるのみです。
これは、航空保安職員として必要な知識や技能を短期間で集中的に習得するためです。
航空保安大学校の研修生は、人の命と安全にかかわる非常に重要な職務に就くことが期待されています。
そのため、研修期間中は座学と実技の授業が詰め込まれており、平日の8時30分から17時15分までカリキュラムがぎっしりと組まれています。
学生は、航空電子や航空情報の専門知識を学ぶだけでなく、実際に現場で使用される機材を使った実習を通じて、実践的な技能を身につけます。
この厳しい研修環境の中で、学生たちは日々技能習得に励んでいます。
航空保安大学校を修了した後、学生たちは全国の空港や航空交通管制部に配属され、現場での訓練と試験を経て航空管制官の資格を取得します。
これにより、航空機の安全な運航を支える役割を果たすことが求められます。
航空保安大学校での生活は厳しいものですが、これは将来の職務に対する責任を自覚し、高いプロフェッショナリズムを養うためのものです。
航空関係の職種の形がいい加減だと多くの人が困りますからね。
学生たちは、国の空の安全を守るという使命感を持ち、日々研鑽を重ねています。
偏差値、倍率、試験内容:合格ラインは日東駒専の理系くらいの学力
航空保安大学校の入学には、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)の理系学部と同程度の学力が必要とされています。
具体的な偏差値は45.0~50.0とされており、これに見合った学力が求められます。
航空保安大学校の入学試験は、科目ごとに内容が異なります。
例えば、航空情報科と航空電子科の試験内容は次の通りです。
航空情報科:
- 個別学力試験: 数学(数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル))、外国語(コミュ英I・コミュ英II)
- 基礎能力試験: 多肢選択式
- 第2次試験: 人物試験、身体検査、身体測定
航空電子科:
- 個別学力試験: 数学(数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル))、理科(物理基礎・物理)
- 基礎能力試験: 多肢選択式
- 第2次試験: 人物試験、身体検査、身体測定
倍率は年度によって異なりますが、例えばある年の航空管制官採用試験では倍率が20.0倍、航空情報科は4.6倍となっています。
この高い倍率からも、入学の難しさがうかがえます。
試験内容は学力試験だけでなく、身体検査や人物試験も含まれます。
身体検査では健康状態や体力、視力などがチェックされ、人物試験では面接を通じて適性が評価されます。
航空保安大学校への入学を目指すには、日東駒専の理系学部と同程度の学力が必要となりますが、それだけではなく、身体的な健康状態や人物としての適性も重要です。
しっかりと準備をして試験に臨むことが求められます。
成績が悪いと退学もある
航空保安大学校の学生は、寮生活を送りながら研修に励みます。
繰り返しになりますが寮は一人部屋で、各部屋にはバス・トイレが完備され、机やエアコンなども整っています。
この環境で、学生は集中して勉強することができ、快適な生活を送ることが可能です。
また、学生は国家公務員の身分を持ち、研修期間中も給与が支給されます。
航空情報科や航空電子科の学生の場合は約17万7千円の給与が支給され、ボーナスも受け取れます。
これは税金から払われます。
ここが大学生との大きな違いです。
なので、航空保安大学校での生活は決して楽ではありません。学生は厳しい研修スケジュールに従い、全ての科目で合格することが求められます。
成績が悪い場合、退学を余儀なくされることもあります。
このような厳しい環境で学ぶことで、学生は航空保安職員としての高い専門知識と技能を身につけることができます。
プロフェッショナルになるためには、それなりに厳しい日々を過ごす必要があります。
大学生として考えれば厳しいかもしれませんが、社会人として考えれば普通と言えましょう。
航空保安大学校では、学生同士の競争やプレッシャーもありますが、同期や教官の支えを受けながら、困難を乗り越えることが求められます。
この厳しい訓練を通じて、学生は責任感と自信を養い、航空業界の安全を守るプロフェッショナルとして成長していきます。
卒業後の年収はそれなりに良い
航空保安大学校を卒業すると、全国の空港や航空交通管制部に配属されます。
卒業後の年収は、勤務する官署や夜勤の有無などによって異なりますが、一般的には高い水準です。
例えば、夜勤がある官署では夜勤手当がつくため、年収はさらに上がります。
入職初年度の年収は約420万円から450万円程度とされており、20代後半になると年収は600万円に達することもあります。
30代では700万円から800万円程度、40代では800万円から850万円、50代になると900万円を超えることもあります。
また、航空管制官の平均年収は586万円とされており、これは世間一般の平均よりも高い水準です。
航空保安大学校の卒業生は、安定した収入を得ながら、社会的に重要な役割を担うことができる点が大きな魅力です。
このように、航空保安大学校を卒業すると、比較的高い年収を得ることができ、安定した職業に就くことができます。
研修期間中の厳しい訓練を乗り越えることで、将来的には高い報酬と社会的な責任を持った職業に就くことができるため、多くの学生が目指す価値のある道と言えるでしょう。