筑波大学附属駒場高等学校(筑駒)は、日本で最も評価の高い進学校の一つとして知られています。
多くの生徒が毎年、国内トップクラスの大学に進学していることで有名です。
「筑駒の落ちこぼれ」は他校のトップに匹敵するとも言われています。
この記事では、筑駒の「落ちこぼれ」が一般的な学校の生徒とどう異なるのか、そして彼らがどのような進学先に向かうのかを深掘りしていきます。
驚くべきは、筑駒のいわゆる底辺層でさえ、多くが早稲田大学や慶應義塾大学といった一流大学への道を歩んでいる現実です。
この現象の背景には、どのような教育方針や学習環境が存在するのでしょうか?それでは、筑駒特有の学びと進学について見ていきましょう。
ポイント
- 筑駒の学力水準が全国平均とどれほど異なるか
- 筑駒での落ちこぼれが他校のトップレベルであること
- 筑駒の教育環境が生徒の高い学力をどのように支えているか
- 筑駒のいわゆる落ちこぼれ生徒が進む大学の実際のランクとレベル
筑駒と開成の差:落ちこぼれは筑駒の方が少ない
なぜ筑駒と開成の合格率が異なるのか
筑駒(筑波大学附属駒場)と開成は、日本の最難関高校として知られていますが、その背後にはいくつかの重要な違いが存在します。
まず、両校の学生数が大きな違いを生んでいます。開成は一学年約400人の生徒が在籍しているのに対し、筑駒は約160人と、はるかに少数精鋭です。
東京都で1位の筑駒の偏差値が73で東京都で2位の開成の偏差値が70です。
より資質が高いトップ中のトップの子が筑駒に揃っていると言われています。
このため、筑駒の東京大学への合格率は、開成と比べて高くなる傾向にあります。
具体的なデータでは、筑駒は毎年45%の生徒が「現役で」東京大学に合格していますが、開成の現役での東大合格率は約30%です。
筑駒は浪人もいれれば6割が東大に進むというデータもあります。
筑駒あるある:東大入試よりも校内テストの方が難しい
筑駒では、「筑駒あるある」としてよく言われるのが、東京大学の入試よりも学校の定期テストの方が難しいという事実です。
この現象の背後には、筑駒の教育方針が大きく関与しています。
筑駒のテストは、基本的な知識の確認だけでなく、その知識をどのように深く理解し、応用できるかを試す内容が多いため、非常に高い思考力が求められます。
たとえば、数学では単に公式を覚えて適用するのではなく、その公式がどのように導かれるか、また異なる問題にどのように適用できるかを深く考えさせる問題が出されます。
また、自由な校風で明文化された校則もありません。
唯一あるのは「校内でガムを噛まない」ということぐらい。というのもあります。
そのために「筑駒の常識は世間の非常識」と言われることもあるようです。
筑駒は政財界に錚々たる有名人を輩出
筑波大学附属駒場高等学校(通称:筑駒)の卒業生には、政財界をはじめとする多くの分野で活躍する有名人が数多くいます。
この学校がなぜ多くの著名な成功者を輩出しているのか、その理由は学校の教育方針にあります。
筑駒は生徒たちに対して自由な学習環境を提供しつつ、高い学問的要求を課します。この環境が、生徒自身の才能や可能性を最大限に引き出すことを可能にしています。
参考:出身有名人一覧。全て見たい方はこちら。
氏名 | 職業 | 経歴 |
---|---|---|
黒田東彦 | 第31代日本銀行総裁 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 → オックスフォード大学経済学研究科修士課程 |
井川意高 | 大王製紙元社長 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 東京大学法学部 |
笠井亮 | 衆議院議員 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 東京大学経済学部 → 東京大学大学院経済学研究科博士課程 |
鎌田浩毅 | 地球科学者 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学理学部地質鉱物学科 |
金子勝 | 経済学者 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学経済学部 → 東京大学大学院経済学研究科博士課程 |
後藤田正純 | 衆議院議員 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 慶應義塾大学商学部 |
後藤茂之 | 衆議院議員 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 |
細田博之 | 元内閣官房長官 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 |
小野次郎 | 参議院議員 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 |
松平定知 | アナウンサー | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 早稲田大学商学部 |
赤澤亮正 | 衆議院議員 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 → 米国コーネル大学経営大学院 |
東浩紀 | 評論家・小説家 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 東京大学教養学部 → 東京大学大学院総合文化研究科博士課程 |
片岡飛鳥 | テレビプロデューサー | 筑波大学附属駒場高等学校 → 早稲田大学 |
堀紘一 | 実業家 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 東京大学法学部 |
野田秀樹 | 俳優・演出家 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 |
矢作俊彦 | 小説家・漫画原作者 | 東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) |
葉梨康弘 | 衆議院議員 | 東京教育大学大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校) → 東京大学法学部 |
鈴木隼人 | 衆議院議員 | 筑波大学附属駒場高等学校 → 東京大学文学部 → 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程 |
筑駒に受かる子は化け物で天才
筑駒に合格するためには、非常に高い学力が要求されます。偏差値は日本で1位か2位です。
特に、中学受験を通じてこの学校に入学する生徒は、平均的なIQが高く、学問に対する深い理解と独自の解釈を持っていることが多いです。
御三家に合格するような子のIQは120から150くらいと言われています。
これらの生徒は「化け物」とか「天才」と称されることもあります。
落ちこぼれて最下位でも早慶で大体が滑り止まる
筑駒の学力分布と大学進学先
筑駒(筑波大学附属駒場高校)は、全国的に見てもトップレベルの進学校ですが、その中でも学力にはばらつきが存在します。
たとえ成績がクラスで最下位に近い生徒であっても、その実力は一般の高校のトップレベルに匹敵することが多いです。
これらの生徒の多くは、大学受験において早稲田大学や慶應義塾大学といった一流私立大学に「滑り止め」として合格することが一般的です。
それでも「落ちこぼれ」と感じる人が多いようです。
筑駒の進学先データを見ると東大が90人、その他の医学部を含めた国公立が27人、早慶で25人。その他の医学部を含めた私立で7人。ここまでで149人です。
HPに載っている大学で一番下の偏差値の大学が中央大学か東京理科大学で1人づつです。
浪人もいるでしょうからこれ以下の大学となるともう数名というレベルでしょう。
なので、落ちこぼれの大半が早慶というのが実情でしょう。
開成高校の進学先データを見ても早慶やMARCHに進学するケースは筑駒の方が生徒数を考えても圧倒的に少ないでしょう。
筑駒の進学先 1学年160人 | 人数 |
---|---|
東京大学 | 90 |
国立大学 | 27 |
早慶 | 25 |
医学部含めた私大 | 7 |
開成の進学先 学生数は400 | 人数 |
---|---|
東京大学 | 146 |
国立大学 | 84 |
早慶 | 75 |
医学部含めた私大 | 49 |
筑駒出身者を2人知ってるんだけど(1人は大学時代の友人。もう1人は卒業後の知り合い)
「東大に入って当たり前だから自分は落ちこぼれ」とか言ってたなぁ。
驚くほど頭の切れる2人だったけど、それでもコンプレックスがあるんだよな…と(´・ω・`) https://t.co/WD5IvkeS4j
— のの (@1710_alananairo) August 13, 2023
桜蔭・筑駒・灘あたりに行くと、基準がバグります。
東大と旧帝医学部以外はあんまり認められていない。
早慶が落ちこぼれとなる世界。 https://t.co/Qc3pBzkCAc
— 信長@ヤバイ大学受験Blog (@nobunaga_ydb) May 13, 2023
めちゃ優秀だった後輩が筑駒⇒一橋からの会計士だったけど、高校時代はめちゃ落ちこぼれでしたって言われて意味わからなかったが進学先見て納得。
東大・医学部が多すぎて一橋・東工大率の低さが逆にヤバいわw https://t.co/QxObVceEvD
— goodwill (@kawai7900) March 17, 2023
学習意欲がどうしても持てなかったケース
一方で、勉強に対するモチベーションがどうしても持てない生徒もいます。
そうした生徒の中には、より入学基準の緩い日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)といった大学群に進学する例も見られます。
これらの大学も非常に評価が高く、多くの学生が活躍していますが、筑駒の中では比較的珍しいケースと言えるでしょう。
これは落ちこぼれというよりは人生哲学の問題だったり、何か(例えばゲーム)が好きすぎたりします。「落ちこぼれ」とは別の話と言えるでしょう。
自由な校風の中で何かに目覚めてしまったということがおうおうにして起こります。
「全員が東大に行くって雰囲気でした」偏差値78のAV男優・森林原人が振り返る“僕が筑駒生だった頃”――2019年 BEST5
名門校のアウトロー卒業生――森林原人 #1 #森林原人 #筑駒 #文春オンライン https://t.co/BUCf7vcAum私も進学校の落ちこぼれで一浪だからわかる……つら……
— うめモカ(うめきち) (@mocaumekichi) April 27, 2023
まとめ:筑駒だと落ちこぼれても一流大学に合格していくことが大半
筑駒の落ちこぼれの相対性
筑駒での「落ちこぼれ」と一般的な学校での「落ちこぼれ」との間には大きな隔たりがあります。
筑駒の落ちこぼれと呼ばれる生徒であっても、その学力は全国的に見れば非常に高い水準にあります。
そのため、筑駒の生徒が一般的な基準で見ると、彼らは多くの場合、国内の一流大学に進学することができます。
進学先としての一流大学
もし筑駒の生徒がいわゆる「落ちこぼれ」とされる成績であったとしても、彼らが進学する大学は早稲田大学、慶應義塾大学などの一流私立大学や、MARCH、日東駒専などの有名大学群であることが多いです。
この事実からも、筑駒での教育水準の高さと、生徒たちの潜在的な能力が垣間見えます。
一般に「落ちこぼれ」とされる生徒でさえ、優れた教育環境と支援を受けることで、十分に才能を開花させることが可能なのです。
- 筑駒は全国トップクラスの進学校である
- 筑駒の生徒は非常に高い学力を持っている
- 東京大学への合格率は約45%で現役合格者が多い
- 筑駒の学生数は約160人で、開成の約400人に比べ少数精鋭である
- 筑駒の偏差値は73で、開成の70と比較して高い
- 学内テストは東京大学入試より難しいとされる
- 落ちこぼれても早慶を含む一流大学に進学する生徒が多い
- 最下位の生徒でも一般高校のトップレベルに匹敵する学力を持つ
- 浪人を含めると6割が東大に進学するデータがある
- 生徒は自由な学習環境で高い学問的要求に応える
- 卒業生には政財界をはじめ多くの分野で成功者が多い
- 中学受験を通じて入学する生徒のIQは120から150程度とされる
- 生徒は「化け物」や「天才」と称されることもある
- 教育方針により深い知識の理解と応用能力が求められる
- 進学先データでは東大90人、国公立27人、早慶25人である